とらちゃんです。どうぞよろしく!
ミドリフグのはなし
by セイキータ
今年の(2000年)6月熱帯魚の”ミドリフグ”ちゃん達2匹がクール宅急便で新宿の東急ハンズからはるばる熊本の私達の事務所へやって来た。うちの旦那が東京出張の帰りに東急ハンズで見てとてもかわいかったのでつい買ってしまった. . .と!私は最初フグを買ったから後日宅急便で送られると聞いて、何でフグなんか衝動買いしたんだろうかと思った。そしてとある日やんちゃなフグちゃん達が届けられた。
ふたを開けてみると小さな目がくるりとしたかわいいフグが2匹!!!今までに熱帯魚のグッピー位 は飼育したことがあるけど、フグは初めてだった。淡水でもなく、海水でもなく、汽水とは何じゃ!?早速準備しておいた水槽をセッティングして、金魚すくいでフグを移そうと思い気や、なんとジャンプして机の上に飛んで逃げ出した!!やっと見つけて拾い上げるとお腹を真ん丸に膨らませて怒りまくっていた。。。(まったく人騒がせな変な魚だな)と旦那と悪戦苦闘で水槽に移し替えた。
当日は餌は与えず、夕方まで仕事をしているとフグちゃん達は、水槽の底に尻尾を折り曲げ猫のように丸くなっていた!!『あれっ、どうしたの?病気になったのかなぁ。何でこんな形になっちゃったんだろう!?』とハラハラしながらフグの飼育マニュアルとやらに目を通 した。そしたら、フグは寝るときや、退屈しているときは尻尾を折り曲げるそうな. . . ふぅー。良かったなぁ。水槽をのぞくとフグちゃん達が起き上がってスイスイ上下に泳ぎ始めた。
そうだまだ名前が無かったんだ!色々考えたあげく少し大きなのんきなフグを『デブオ君』、小さくちょっと内気だけどケンカっぱやいちんぴらフグのほうを『トラグラ』と名付けた。
餌をやるときは”デブちゃん”、”トラちゃん”と言いながら餌を与えると水槽の底から胸びれをぴろぴろ全回転で水面 まで泳いできてポカっーと口を開ける。グッピーはひれもカラフルで顔も美人だったけど、フグって何て言うのか. . . お風呂で遊ぶおもちゃのイルカみたい。たまに餌を食べた後あくびをするのがひょうきんで何とも言えない。でもなんか変なやるらだ。
順調にすくすく育っていたこ頃からなわばり争いをするようになったのでとうとう仕切り板をすることになった。特に餌を与えるときはケンカがひどかった。うちの旦那はフグに向かって『デブオ、トラの餌を食べたらだめでしょ!!!』と言いながら(魚が人間の言葉がわかるわけないだろうに。)餌をやるので私は横から見ていてうちの旦那もフグに負けず劣らずおかしなやつだと思った。
ある日家族で2日ほど実家へ帰っているときにショッキングな事が起きていた。それは、仕切り板を通 り抜けてトラちゃんが、デブのほうへ進入してデブのひヒレや体をぼろぼろになるまでかじっていた。そして、デブちゃんは私達が事務所に来るまで必死で耐えていた。エラで呼吸するのもつらそうだった。
すぐ、デブちゃんを隔離しその日の夕方まではなんとか呼吸をしていたが、見るのがすごくつらかった。
仕事を終えて自宅へ帰ると、不思議な事にうちの猫が2匹とも玄関先で私達の帰りを待っていた。動物は飼い主に何か重大なことがあったり、悲しんでいたりするのがテレパシーみたいにわかるということを聞いたことがあるけど、うちの猫ちゃん達もやはり何かをキャッチしたのか足下にまとわりついて私達を慰めてくれてるようだった。
その時、猫をなでながら私は『明日フグちゃんが死ぬかもしれないんだ、だから悲しいよ. . . 』と言うと猫は何も言わずじっと静かにこの悲しみを一緒に感じてくれた。
悲しい時って、胸がしくしく痛む。悲しみは本当に痛いものだと思う。いつも”別 れ”はある日突然にやって来るから、私はいつも心の中が処理しきれなくて空っぽになって『どうしてなの!?』と叫びたくなってしまう。
次の日事務所に行くとデブちゃんはもう天国へ泳いでいってた。小さなお菓子の箱に入れて家に持って帰ると、また今日も猫ちゃん達が待っていてくれた。だから私は『フグちゃんはやっぱりだめだった。天の川へ行っちゃったんだよ. . .』と言いながらスコップで花壇の中に埋葬してあげた。家族皆と、猫ちゃん達とささやかなお葬式をした。
お別れはいつも突然にやって来るから今のこの瞬間を大切にしながら生きていきたいと思う。1匹だけ残ったトラちゃんはすくすく育って飼い主にそっくりになってきつつある。ピンセットで水槽の掃除をしていると、退屈なのかピンセットの後を追いかけて泳ぎ回ったりかじりついたりして私達を楽しませてくれる。事務所の中はパソコンだらけで無機質な感じだけど、水槽というちっちゃな海があるようでほっとします。フグちゃんありがとうね!!
読んで下さってありがとうございました。