1991.3.15 BonVoyage

イラクに大量破壊兵器はない!

「イラクに大量破壊兵器はない」米調査団長が辞任

 【ワシントン=菱沼隆雄】米中央情報局(CIA)のテネット長官は23日、イラクで大量破壊兵器の捜索をしている米調査団のデービッド・ケイ団長(CIA特別顧問)の辞表を受け入れ、後任に国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)のチャールズ・ドルファー元副委員長が就任すると発表した。

 ケイ氏は同日、ロイター通信に対し、「イラクに大量の大量破壊兵器が存在するとは思えない」と言明。「(焦点は)91年の湾岸戦争後に製造された(大量破壊兵器の)備蓄があるかだが、90年代に大規模な製造計画があったとは考えられない」とも述べた。

 ブッシュ政権はイラクの大量破壊兵器の存在を直接の脅威とし昨年3月、イラク戦争の開戦に踏み切った。同12月にイラク元大統領サダム・フセインが拘束されたことで、米国内では「イラク開戦の正当性」を支持する世論が定着しつつあるが、ケイ氏の発言を受け、「脅威」の本質や信憑性が改めて問われる局面もありそうだ。

 ケイ氏は昨年10月に「大量破壊兵器や開発計画の存在を示す明確な証拠はまだ発見されていない」とする中間報告を発表。「6―9か月以内」に最終判断が下せるとして作業継続への意欲を示していたが、その後、調査団の人員が削減されたことなどで政権側との溝が生じ、辞任を決断したと見られている。
(2004/1/24/12:14) 


2004年1月24日<読売新聞>

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